◆箱庭の外堀◆

短編「1973年」の解説 :: 2015/04/04(Sat)

しゃとーむーとん

短編『1973年』


いかがでしたでしょうか。



この物語の主人公:レオ(様) は私の作品であまり見ない女の子を目指してみました。
レオの全く動かない表情に期待を持ってくださった読者様もいましたが、
やっぱり女の子なので動揺もしています。

男とリリア嬢については何も考えておりません。
男には名前すらありません。 ヒゲで未成年ってたまにいるんですよね。 良いですよねヒゲ未成年。



我が漫画の師はいつも言っていました。
「ちゃんと調べて描きなさい。
 資料を見ながら正確に描きなさい。」


でもよく分からんです。
建物を描いても「これ何か分かんなくてスルーしてたわ」って言われる私です。
絵は苦手分野です。


絵に限らず、調べ物は苦手分野です。
調べ物をしてもどうしても妄想が入ってしまって上手く現実を受け入れる事が出来ません。(深刻です)
そんな私が現実を受け入れようとして頑張った作品が『1973年』になります。

「とにかく調べ物をして、ちゃんとした事実に基づいて作品を作ろう」と思ったのですが…
作中にその成果が全く現れていません。
いつもオチやシーンを中心に考えて物語を作っているので、
「モチーフ」から入るという異例の作り始めに四苦八苦しています。


さて、今回のお話のモチーフですが
ラベルが絵として売れるワインは実在しています。

その名も
「シャトー・ムートン・ロートシルト」

というフランス産の赤ワインです。


追記の方では私なりに解説してみますが、
ファンではなく素人なので情報が間違っている可能性も大いにあります。
…というか間違ってると思います。

コメント機能をONにしておくので「変な情報を広げるな!」という方がいらしたら
コメントでお教えくださるとうれしいです。訂正させていただきます。



以下、追記。





※※※作者は学が無いので美術史もワインも分かりません※※※



P1010279.jpg

こちらのポスターは何でしょう?
横幅1メートルはあります。大きいですね。

実はコレ、先程お話しましたシャトー・ムートン・ロートシルトのラベルが
印刷されて一覧になっているポスターなんです。
(※私が直接撮影しているのでどの画像も無断転載では無いですよ)


P10102791.jpg
1973年はココです。

DSC_2274_201504042342479c4.jpg


なんだかおどろおどろしい絵です。
実は今回のお話のメインになった1973年のラベルを描いているのは、あの有名なパブロ・ピカソです。
(知名度で選びました)


そして作中にもう一つ出てくる1991年はココ。
P10102792.jpg

DSC_2275_20150404234249b26.jpg


素敵な絵だな~と思って選びました。
ラベルを書かれたのはクロソフスキー・ド・ローラ・セツコ(出田節子)さんという方のようです。
その当時、日本人で2人目のシャトー・ムートン・ロートシルトのラベルを描いた方です。



*ラベルの保存について*


お話を読んでいて、
「ラベルってどうすんの? 瓶ごと保管するの? 邪魔じゃない?」って
思われた方もいらっしゃると思います。
収集家の方はこういった方法を取っているようです↓
DSC_2277.jpg
(画像はドイツ産ワインなので今回の銘柄とちょっと違うのですが…)

ラベルを剥がして、専用のラミネートし、それをアルバムやファイルケースに入れているようです。
ラミネートされた物をバラで集めている方もいるようです。


*シャトー・ムートン・ロートシルトについて*


詳しい人が身近にいるので聞いてみた所…
「シャトー・ムートン・ロートシルト。
 ボルドー、メドックのポイヤック地区。格付け一級。
 ロートシルト卿お気に入りのワイナリー。
 ボルドーワインは男性的。
 カベルネ・ソーヴィニヨン主体でメルロー、
 さらに歳によってはプチヴェルドやカベルネ・フランを
 数%ブレンドする重厚な味わい。
 色は濃い赤色、タンニンも強めで経年により澱を生成する。
 デキャンタージュして飲むべし。」

という呪いの言葉を吐かれました。呪われた気持ちになりました。

ごめん、わかんない。 ごめん、全然わかんない。


ワイン販売店経営のワイン協会の人(?)にお話を聞いてみる機会があったので聞いてみた所、
「シャトー・ムートン・ロートシルトは高いワインですよ。
 毎年、絵を描いてる人が違うんです。
 ピカソやシャガールの名前は知っているでしょう?
 そういう人達も描いてるんです。
 世界中の有名な人達が絵を描いてるので、絵のファンも沢山います。
 絵が好きな人にも人気だし、ワインが好きな人にも人気で、
 毎年全くデザインが違うから収集家の人も集めてて楽しいんです。
 だからラベルだけでも高値で取引される面白いワインなんですよ。」

というわかりやすい言葉で噛み砕いて教えてくださいました。
お馬鹿の私にもわかりました。ありがとうございます。

…でもネットで検索しても『ラベル収集家に人気がある』とはあまり出てこないので
「これはネタとして使えるかも!?」と4年前からほくほくしたまま物語は全くまとまりませんでした。




*作中で語られる『物語』との関係性*

2015y04m04d_222312398.png
作中では『物語』が語られます。

詳しい事情を知ったかぶりで話せるほど、私は詳しくないのでなんとも説明しにくいのですが…
その辺は検索していただければプロの方なり、収集家様方が解説を書かれているページがあると思います。

先程の呪いの言葉を呟いた人によれば
「ムートンってドラマがあるワインなんよ。
 それは不屈の努力であったり、
 偏屈男爵の底知れぬプライドであったり。」

という事らしいのです。


男爵の物語にまでは首を突っ込んで紹介はしきれませんが、
wikipediaにも載っている『物語』を一つ紹介します。

P1010270.jpg
こちら、1993年のラベルです。 (写真撮るの下手くそですみません)

P1010271.jpg
そしてこちらも1993年のラベルです。(写真撮るのry)

両方、同じに見えましたか?
P1010270.png
実はこれ、同じ年の同じ銘柄のワインだというのに片方は裸体、もう片方は真っ白なんです。
ラベルはフランスの画家さんが描かれたデッサン画ですが…
左は通常版、右はアメリカ限定販売版です。

Wikipedia先生の解説じゃ分かりづらかったのですが、
先程のワイン店経営の方に聞いたところ
「児童ポルノの関係でアメリカでは禁止されてしまったんです。
 だからアメリカはデッサンの線が無いラベルなんですよ。
 そのため、収集家達は1993年の絵が付いているラベルと
 絵が付いて無いラベルの両方を集めたがるんですよ。」

との事だそうです。

そういった時代背景、『物語』も、人を惹きつける魅力の一つのようです。



*短編の訂正個所*

2015y04m04d_225313764.png
実は今回の短編…訂正個所があるのです。
公開をしてからご指摘いただきました。

お高いワインには大体、底に凹みがあります。
ワイン業者の方はワインを飲む時、その凹みに親指を入れて注ぐそうです。
そこまでは知ってました。

ですが、漫画公開後に
『瓶のそこを持つのは白ワインだ。
 赤はボトルの胴をもち、
 手の温度を伝えつつ酸素に触れさせて香りを開かせる。
 白とスパークリングは逆に細く早く注いで
 フレッシュに飲むためにそこを持つ。
 スパークリングは特に泡を殺さないように
 注がなくては駄目だ。』

というアドバイスを頂きました。

・・・えぇ、文字色を見て分かる通り、呪いの言葉の人です(笑)

『でもソムリエ協会的にはどちらでも正解らしいけどな』


どちらでも正解だとしても…!
私はレオ(様)にもっと思慮深く知識深い行動をしてもらいたいので!なんだか悔しい!!

というわけで公開直後にワインの底の如く凹んでいる私なのでした。
調べが足りなくて悔しいなぁ。



*最後に『ワイン』とは*

ここまで散々、ラベルとしての価値・商品としての素晴らしさ・知識とマナーについて説明してきました。

でも、呪いの言葉の人・ワイン店の人に言われた言葉があります。

『こういうのはただのこだわりだよ。
 そんな繊細じゃないから、ワインって。
 ただ、少し飲み方があるだけ。』

『ワインの事を「格式が高い」って避ける必要はないんですよ。
 美味しい食事をして、それに合うワインを一緒に飲んで楽しむものです。
 だからワインは知識とかマナーがわからなくても
 大切に飲んであげればそれでいいんですよ。』


「マナーがわからない!ルールがわからない!」と頭を抱えて嫌厭し、
無駄に格式高くしようとしているのは、私のようなワインを全く知らない人達で。
ワインと共に生活する人達からしたら、それほど大きくも繊細でもないようです。

作中の登場人物達はご大層にワインについて語っていましたが…
私がこの短編を作った上での失敗は、
一番初めに「この銘柄のワインの物語を作ろう!」だなんて思い立ったところからなのかもしれません。




素人の長文説明は以上になります。

間違った解説等あるかもしれませんので、
興味を持たれた方は検索して確かな情報をお持ちのサイトで調べてください。


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  1. 補足説明
  2. | 本文:0
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